2013年9月26日

クリエイティブコモンズの作品の著作者クレジットを表示する方法

2015年8月6日追記: CCライセンス・バージョン4.0の日本語版が公開されています。少し調べたところクレジット表記に関わる条文は変更されていますが、条件を緩和する方向での変更のようです。(厳密に確認してはおりません)もしそうだとすれば、本記事に従ったクレジット表記はバージョン4.0においても有効であると考えられます。ただし、筆者は法的責任は負いかねますので、自らの責任でライセンスを遵守していただきますようよろしくお願いします。

クリエイティブコモンズの作品の作者のクレジット表記をどうやってするか迷っている人のためのガイドを翻訳してみました。これはクリエイティブコモンズ・オーストラリアの記事の非公式抄訳です。意訳を多用しており、翻訳の正確性は保障しかねます。

クリエイティブコモンズライセンスの作品の著作者クレジットを表示する方法

すべてのクリエイティブコモンズライセンスは、作品の利用者が著作者のクレジットを表示することを義務付けています。これはオーストラリアの著作権法の下でも必要事項です。つまりは、すべての適切な著作権情報を提供するだけでなく、常にあなたが利用したクリエイティブコモンズ(以下CC)作品の著作者への謝辞を付ける必要があるということです。

CC作品の利用者にとって、クレジットの表示は難しい作業の一つです。このガイドはCC作品の著作者のクレジットをあなたが確実に、最も良い方法で表示できるように書かれたものです。

作品のクレジットを表示するときに何を含める必要があるのか

あらゆるCCライセンスにおいて、クレジットの表示には同じ基本原則が適用されます。CC作品のクレジットを表示するときは:

  • 著作者のクレジットを掲載する
  • 作品のタイトルを掲載する
  • 作品がホストされているURLを掲載する
  • その作品のライセンスの種類を掲載し、ライセンスへのリンクを貼る(ライセンス条項を閲覧者が見つけられるように)
  • そして、すべての著作権表示を作品と関連付けられた形で、漏れなく掲載する

掲載すべき情報が多すぎるように聞こえるかもしれませんが、あなたが情報を提供する方法には柔軟性があります。特にデジタル環境においては、これらすべての情報を含むことはカンタンです。

<例>

FlickrStormFlickrの高品質なCC作品を見つけるのを助け、自動的に適切なクレジット表示を生成するオンライン検索ツールです。キーワードを「bird」とし、advanced searchドロップダウンリストで「Photos you can use commercially (Attribution)」を選択すると、この画像がヒットします。

この画像のクレジット表示の一例は、以下の通りです。

'Flamingos Partying’ by Pedro Szekelly available at http://www.flickr.com/photos/pedrosz/2040577615 under a Creative Commons Attribution 2.0. Full terms at http://creativecommons.org/licenses/by/2.0.

(訳注:日本語訳の例は次のようになる。)

Pedro Szekelly による「Flamingos Partying」は http://www.flickr.com/photos/pedrosz/2040577615 において、 Creative Commons Attribution 2.0 の下で利用可能です。 ライセンスの全文は http://creativecommons.org/licenses/by/2.0 をご覧ください。

しかしながら、FlickrStormは画像の右下に、これよりずっと短いクレジット表示を提供しています。

FlickrStormのクレジット表示はとても短いにもかかわらず、上手なリンクの貼り方によって、CCライセンスで要求されているすべての情報(あるいは、それ以上)へのアクセスを提供しています。クリエイティブコモンズロゴにマウスオーバーすると、その画像のライセンスの種類と、CCライセンスへのリンクがポップアップします。

写真家のユーザーネームは、その写真家のFlickr上のphotostream(画像一覧)にリンクしています。そこからあなたはFlickrのプロフィールにアクセスできます。写真そのものは写真のFlickrページにリンクしていて、そこには写真のタイトルや、その他の詳細情報が含まれています。さらには、contact」リンクから、あなたは直接Flickrの内部メッセージングシステムにアクセスして、あなたのユーザアカウントから写真家にメッセージを送ることができます。

オフライン環境ではリンクを貼れないので、クレジット表示はもっと長くなりますが、それでもそんなに邪魔ではないはずです。

Flickrページへのリンクを含むことで、その他の全ての情報とリンクを提供しています。

Pedro Szekellyの写真へのURLは http://flic.kr/pedrosz/2040577615 となっており、 http://www.flickr.com/photos/pedrosz/2040577615ではありません。これは http://flic.kr が自動的に http://www.flickr.com にリダイレクトするからです。Flickrは「photo」「people」といった、通常URIのその他の部分が抜けている場合も同様に自動的にリダイレクトします。これはデッドリンクに導くことなく、より短いテキストリンクを表示するための役立つ方法です。

著作者を特定する

あなたの利用している素材を作った人物を特定することは、ときどき難しいこともあります。誰をクレジット表示すべきかを考えるときは常識を使いましょう。

もしあなたが、複数の著者によるブログやニュースサイトを閲覧しているのなら、あなたが利用するコンテンツと関連付けられた人物をクレジット表示しましょう。by○○といった表示を探すか、投稿した人物の名前を探しましょう。もしコンテンツに複数の著者がいるのなら、全員をクレジット表示べきです。出版物をクレジット表示するような場合は注意してください。

著作者の名前を探すのが困難な場合もあるかもしれません。こうしたケースは、著作者がそのユーザネームでしか表示されないことのある、FlickrやYoutubeでありがちです。著作者の本名を見つけるためには、「about」とか「biography」といったサイトのコーナーを参照したり、プロフィールページや、コピーライト表示(© 氏名 2009 といった表示)を探しましょう。あるいは作者が特定の方法でクレジット表示するように依頼していないかもチェックしましょう。

もし本名が見つからなかったら、 ペンネームやユーザネームがあれば、それを用いましょう。

(原文ではここで一つ例を出していますが、省略)

その他の関係者の名前も表示する

共同製作者やスポンサー、出版社といったその他の名前もクレジット表示に含めるよう、作者は要求しているかもしれません。そうした関係者が特定できる状況の下では、あなたは彼らをクレジット表示に含めるべきでしょう。もし全ての関係者の詳細を表記しきれないなら、その作品を見つけた場所の詳細を表記するようにしてください(例えばウェブサイト・雑誌・ジャーナルなど)。

常にライセンス情報を含める

全ての情報を表記するのが困難だったとしても、その作品のCCライセンスの詳細は含めなければなりません。これは他の人たちがその作品の許可条件を知り、同様に利用できるようにするためです。

上記の例から分かるように、CCライセンスは様々な方法で表示できます。ライセンス名全体を表記してもいいですし、略式表記したり、大小のライセンスボタンを用いることもできます。

以下の表は6つの標準CCライセンスのフル・ライセンス名と略式表記、ライセンスボタンの一覧です。

サイトへのリンク

上記の例を見れば分かるように、可能な状況では、原作品を入手したサイトのリンクを提供することもまた重要です。他の人たちが原作品に容易にアクセスできるようにするためです。あなたが作品を利用する媒体によって、そればハイパーリンクにも、テキストのURLにもなり得ます。もし原作品が関連付けられたURLを持たないのなら、原作品にリンクを貼る必要はありません。

原作品を改変する場合

もし何らかの方法で原作品を改変するならば──例えばトリミングしたり、色や文章を置き換えたりするならば、あなたは原作品の二次的著作物を製作したことになります。あなたは、あらゆる二次的著作物において、原作品をクレジット表示しなければなりませんし、原作品に変更が加えられたということを明示しなければなりません。

そのために良く用いられる最も簡単な方法は、 「この作品は次の作品の二次的著作物です」という表現を用い、続けて通常通り原作品のクレジット表示をすることです。もし複数の二次的著作物を結合させた作品を制作したならば、「この作品は以下のソースからの要素を含みます」などと述べ、原作品のリストを表記してもよいでしょう。さらに「順不同」などとリストの順序について述べるのもよい考えです。

もしあなたが「改変禁止」要素を含むライセンス(CCライセンスの表示—改変禁止や、表示—非営利—改変禁止)の作品を利用するときは、一切の改変が許されないことを忘れないでください。

<例>

charliehiphopのウェブサイトの詩人やヒップホップアーティストの全てのコンテンツはCCライセンスの下で利用可能となっています。あなたはCharlieの詩の一つ、「Let’s Get Moving」をあなたの作っている動画のラップの一部として用いることを決めたとしましょう。あなたは動画の内容に合うように言葉を変更しました。

サイトの右側にはライセンスボタンと、クリエイティブコモンズ表示—非営利—継承ライセンスの標準表示があります。

この下に、楽曲がどのようにクレジット表示されるべきかを述べたガイドラインへのリンクがあります。

CCライセンスとこのガイドラインに従うために、あなたは動画にこのクレジット表記を含めることにしました。

The rap in this video was based on ‘Let’s Get Moving’ by charliehiphop available at http://www.charliehiphop.com. Licensed under a Creative Commons Attribution-Noncommercial-Share Alike 3.0 Unported licence, http://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/3.0.

(訳注:意味をいくらか補った日本語訳の例は次のようになる。)

この動画の中のラップはcharliehiphopによる「Let’s Get Moving」を基に改変したもので、原作品はhttp://www.charliehiphop.comで入手可能です。原作品および本作品はCreative Commons Attribution-Noncommercial-Share Alike 3.0 Unported licenceの下でライセンスされています。詳しくは http://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/3.0を参照のこと。

異なった媒体でクレジット表示する

可能ならば、どのようにあなたが作品を利用するにせよ、クレジット表示には同じ情報が含まれるべきです。しかしながら、時としてこのことは非実践的であり、不可能です。CCライセンスは、「媒体にとって合理的」である限りにおいて、クレジット表示の配置・言語・詳細度を媒体ごとに変更することを認めています。

例えば、もしあなたがCC作品を本で使用する場合、長めの文章で、名前やライセンスのURLを含む、作品に関する全ての情報を含んだクレジット表示を提供することはたやすいでしょう。(オフラインの媒体や、印刷されるであろうデジタル文書でCC作品を使うときは、そんな風にクレジット表示すると親切でしょう。)

しかし、CC楽曲をポッドキャストで用いるときは、 そのようなレベルの情報を提供することは手間がかかります。以下は、異なった媒体でCC作品をクレジット表示するときにどうすればいいかの目安です。ただし、製作者が特定のクレジット表示方法を指定しているかどうかを確認することを忘れないでください。

本・雑誌・ジャーナル
  • 完全に(in full)ライセンスの種類とURLを明記し、適切なクレジット表示も含めてCC作品の直下、もしくは作品のあるページ下のフッターに表記しましょう。
  • その代わりに、CC作品のリストを出版物の最後に表記してもよいでしょう。もしそうするならば、作品の出てくるページ番号か、その出版物に作品が出てくる順番を表示するとベストです。
写真と画像
  • 画像の直下、もしくは邪魔だと思ったら、ページの端や下側などの近い場所に適切なクレジット表示をしましょう。
スライドショー
  • CC作品の直下または作品の出てくるスライドのフッターに適切なクレジット表示をしましょう。
  • その代わりに、スライドショーの最後の「クレジット」スライドに全ての用いた要素とそのクレジット表示をリストにしてもよいでしょう。繰り返しますが、人々が特定の作品のクレジット表示を見つけられるように、出てきたスライド、あるいは順序を表示するべきです。
動画
  • 動画で、まさにその作品が現れるときに適切なクレジット表示を表示しましょう。
  • それが不可能なら、よく映画であるように、スタッフロールなどクレジット表示しましょう。
ポッドキャスト
  • アーティストの名前と、作品がCCライセンスの下でライセンスされていることをポッドキャストの中で述べましょう。ちょうどラジオアナウンスのようにです。そしてあなたのウェブサイトで、ポッドキャストが利用可能なところの直下で、完全なクレジット表示を提供しましょう。

あなたが利用したものすべてを見失わないようにする

最後に、適切にクレジット表示するために、あなたがCC作品を利用するのと並行して、順次全ての作品を記録しておきましょう。後で作品を探すのはとても難しく、時間の浪費になりかねません。以下のような表を用いて、あなたが利用するたびに、CC作品を記録することをおすすめします。

Credits - Photos (in order of use): 'Flamingos Partying' by Pedro Szekelly CC BY 2.0 Generic.


この文章はCreative Commons Australiaによる「How to attribute Creative Commons licensed materials」を非公式に翻訳・改変したものです。原作品のライセンスは Creative Commons Attribution 3.0 Australia です。
翻訳者はこの日本語訳を Creative Commons Attribution 3.0 Australia の下でライセンスします。クレジット表示の名前は「PC情報蓄積庫」を用いてください。